ピアノ講座

打鍵しよう

ピアノの前に座ってください。もちろんピアノの前に座るで 学習したフォームを作って座ってくださいね。フォームを意識しながら 鍵盤の上に指先を乗せてみましょう。肩から腕は楽になってますか? 肘の角度は90度以下になったりしてませんか?手首と手の甲は直線上 のラインを保っていますか?指の形は……そうです。まだ指の形については やってませんね?それを今から身につけましょう。

もし、あなたがフォームを正しく作る事が出来ているなら、 鍵盤上の指は自然に内側へカーブしているはずです。俗に言う「タマゴを 握るような形(実際は、肉まんを上からやさしく包み込むような形が良い)」です。手の構造上、手先の力を抜くとモノを握る方向へ 指が曲がります。指の筋肉が弛緩して長くも短くも無い状態にあるからです。 そこへ力を入れると筋肉が働き、指を開いたり突っ張らせたり握ったりできる訳ですが、 指を反り返らせるよりはモノを握る方向に運動する方が、自然に 多くの力を指先に反映させる事ができます。鍵盤の上では モノを握る方向に指を動かせば、鍵盤が押し下げられます。言葉を変えれば下向きに 力を加える運動になるという事です。この事は、加えた力に重力が加わるため 同じ運動を違う方向にするより少ない力で効率よく運動できる事も同時に意味します。

さて、手の形が上記のようになっていれば、使っているのは腕を 支えるためのわずかな筋肉だけでリラックスした状態になっているので、 あと少しの意思と力だけで指が動きます。ピアノを弾く場合の指の動きとしては、 指先を反り返らせるのでは無く、主に手を握る方向に運動するわけですから 上述の理由により、思っている以上に少ない力で打鍵できます。 打鍵した後は浮き上がって来ようとする鍵盤を押さえているだけの力しか必要ありません。ですから 力を入れる意思を働かせるのは打鍵のためにほんの一瞬だけでいいのです。 しかも鍵盤を押さえているとき、手の重さを支えるのに腕や手首だけではなく 指も支柱として使うことにもなるので、鍵盤を押し続けるという動作には 新たな力を必要としません。

ピアノの前に座るの中でピアノを 弾くのには大変な力が必要だとお話しましたが、今の話からすると どこにそんな力が必要なのかと思った方もいるかも知れません。 もちろん打鍵の瞬間や鍵盤から鍵盤への移動にも多大な力を必要と しますが、力の分量としても多くの割合を占め持続的に使うのは、先ほど書いた 、重さを指で支えるという力なのです。モノを叩こうとする時、 なるべく高いところから振り下ろすようにすると位置エネルギーも 加わって大きな力となるのですが、ピアノを弾く場合、位置エネルギー よりも体の重さを指先にかけて打鍵するという動作が重要になります。 全身全霊を込めてピアノを弾くと体全体の重さが指先に集中します。 厳密に言えばそんな事は無いのでしょうけど、前のめり気味にピアノ椅子に 座るのは少しでも多く体の重さを鍵盤に伝えるためでもあるので、 結果としてかなりの重さを指先で支えることになるのです。

ですが、ここでは生ピアノを弾く事も全身全霊をかけて ピアノを弾く事も想定していません。指先までを含めた正しい フォームを作るのはあくまでも、最小限の力と努力でとりあえず 指が動きピアノを弾いている雰囲気を味わえる様になるために、 指を動かすときの障害を少しでも取り除くという事が目的です。 ですので、夜眠れなくなるほど深く考える必要は全然無いのですが、 ピアノの練習をするにあたってせめて意識だけは持ち続けられる 様に心がけてみてください。指が動かない・痛い・辛いと感じる事があったら まずフォームをチェックしてみて悪いところが見つかったら直せる 様に頑張ってみてください。時にはフォームを矯正するだけで、 幾ら練習してもできなかった事が出来るようになったりします。

では、五本の指を白い鍵盤の好きなところ、たとえばドレミファソでも いいので正しいフォームで乗せます。常に正しいフォームを意識しながら 順番に一音づつ好きなように弾いてみてください。出来なくてもいいので 「緊張と脱力」をイメージしながら試行錯誤して自分なりのコツを 掴んでみてください。右手と左手、片方づつ両方とも同じようにコツを 見つけてくださいね。フォームを意識しながら打鍵する事に慣れて 来て、なにかメロディーを弾きたくなってきたら、いよいよバイエル にとりかかりましょう。


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